清宮から5三振を奪った「未完成のエース」 日大三の背番号8が秘める可能性
名将・小倉監督「本格的な投手の練習をしていない。非常に楽しみ」
新チームに入り、背番号8ながら、岡部仁と2枚看板で投手をひっぱる。打っても3番打者。秋季東京大会でチームを決勝まで導いた。出場枠1の東京。センバツ出場への絶対条件は優勝すること。準優勝だと関東5校目との争いになる。だが、決勝で見せた清宮からの5三振は強烈なインパクトを残した。それが、選ばれるひとつの要因でもあった。
ただ、これはまだ序章に過ぎない。
小倉監督は「まだ本格的にうちでは投手の練習をしていない。この冬をどう乗り越えるか。まだまだ経験のない投手。非常に楽しみです」と話す。同校の冬の練習は早朝5時から始まる修業の場。走り込みや精神面の強化を乗り越えれば、まだまだ人間としても、選手としてもレベルアップができる、ということだ。
技術面では「一番はスライダーのコントロール。今は力任せに投げている。腕が振れているから、相手も振ってくれている。けれど、もうひとつコントロールが絶対に狙ったところに投げられるようにならないといけない」と課題を挙げる。
東京大会決勝で高校球界にその名をとどろかせた好投も、名将からみれば未完成の投手というところ。桜井は今、下半身を徹底的に鍛え、安定したフォームの習得に取り組んでいる。今年のセンバツは強打者に注目が集まっているが、ひと冬を越えてトレーニングを積んだ投手たちの中からも、きっと脚光を浴びる存在が出てくるだろう。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count