二刀流、侍、ベストナイン…プロを続々輩出した逸材だらけのセンバツとは

清宮&安田と今大会逸材ぞろいも…大谷VS藤浪が実現した5年前の春

 第89回センバツ高校野球が3月19日から甲子園球場で開幕する。今大会は早実・清宮幸太郎内野手、履正社・安田尚憲内野手らドラフト1位候補が出場することや、北から南まで実力校、プロ注目選手が揃うことで注目度が高い。これだけ好素材が集結したのは、今から5年前、大阪桐蔭が優勝した12年のセンバツ大会以来ではないだろうか。

 最も注目されたのは、いきなり大会1日目の第3試合で激突した大阪桐蔭対花巻東。WBCに出場する侍ジャパンに選ばれ、今や球界を代表する投手になった藤浪晋太郎と大谷翔平が対峙した。197センチの藤浪と193センチの大谷がマウンドに立つ姿は甲子園に映えた。

 試合は2回裏に花巻東の大谷が藤浪のスライダーをとらえて、右翼へ先制の本塁打。投げては5回まで2安打無失点と強力な大阪桐蔭打線を封じていった。後半勝負と睨んでいた大阪桐蔭は6回に反撃。疲れの見え始めた大谷をとらえた。四球と長打を絡めて3得点。7回には4番の田端良基がレフトへ2ラン。9回には3者連続四死球と崩れた大谷を一気にたたみかけ、4得点。9-2で快勝した。

 大会前に左坐骨痛で万全な状態で迎えられなかったとはいえ、大谷は8回2/3、173球、9失点と悔しい結果になった。一方の藤浪は森友哉(現西武)とのバッテリーで143球を投げて2失点完投。好投手対決を制した。藤浪は阪神、大谷は日本ハムへドラフト1位で入団。着実に成長し、15年には投手3冠のタイトルを獲得するなど、日本球界を支える存在となった。また、大谷の1学年下で後に日本ハムに入団する岸里亮佑がベンチ入りしていた。

 続く2回戦で大阪桐蔭と対戦したのが、九州学院(熊本)だった。1番打者は、この年の中日ドラフト5位・溝脇隼人内野手。非凡な守備センスを1回戦の女満別(北海道)戦でも見せていた。迎えた優勝候補との激突は3-5で敗戦。溝脇は藤浪に4打数無安打、2三振に封じられた。昨シーズンは中日で6試合に出場した。まだ公式戦で藤浪との対戦はない。この試合、九州学院の先発は左腕の大塚尚仁。2012年ドラフト3位で楽天に入団。昨年は4試合に登板した。

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