侍ジャパンV奪還へ鍵握る中田翔 昨季苦しんだ“弱点”克服できたのか
高めのストレートに釣られることが多かった昨季
具体的に、中田がストレートにどのような対応をしていたのかを見ていこう。最初に、中田に投じられたストレートを高さ別に集計し、その結果を整理し図にまとめた。
投じられたストレートに対し、スイングにいったかどうかを意味するスイング率では、真ん中から低めの高さについては、昨季の中田はNPB平均と同じような数字を記録している。しかし、ボールコースも含む高めでは、昨季のNPB平均48.8%よりかなり高い60.9%と、かなりスイングにいっている。スラッガーである中田は“狙い球”と感じているのだろうか。2014~2015年は51.0%とここまでの開きはなかったので、打席でどんな球を狙っていくかという姿勢で、昨季は多少の変化があったことが推測される。
次に、投じられたストレートをスイングした際、バットにボールに当てられたかを意味するコンタクト率を見ていく。基本的にストレートは高めのボールのほうが空振りを奪いやすく、低めにいくにつれてコンタクト率は上がっている。
中田も同じ傾向にあるが、昨季はより顕著で、高めのボールを振った際のコンタクト率は64.1%とNPB平均の72.4%を大きく下回っていた。2014~2015年の76.3%という数字からの低下も気になるところだ。
とにかく昨季の中田は、高めのストレートに釣られて手を出しがちで、また空振りも多かった。それが対ストレート成績の低下を招いた一因と言えそうだ。