【田澤純一コラム第2回】元中日チェンの意外な記録、マーリンズ監督の意外な一面
昨季マーリンズで「25」をつけていた人物とは…
この春、マーリンズには練習がない休養日が3日もありました。レッドソックスはキャンプ中に休みが1日しかなかったから、「え、こんなに休んでいいの?」って(笑)。レッドソックスではキャンプが始まる時に監督やコーチと面接をして、オープン戦は何試合に投げて、こういう形で仕上げていこうって話し合うんですけど、マーリンズは選手の自主性に任せる感じで、その時の状態に合わせて登板スケジュールが伝えられます。どちらがいいというわけではなく、球団によっていろいろなやり方があるんですね。移籍して初めて知りました。新鮮です(笑)。
こういう大らかな雰囲気は、マッティングリー監督の人柄からくるものかもしれません。現役時代はヤンキース一筋でMVP(1985年)も獲ったスーパースター。なのに、全然偉そうな雰囲気はなくて、試合中のダグアウトでもイライラする様子はまったくありません。試合でミスがあったとしても、その場で怒るタイプじゃなくて、次の日の練習で「昨日の試合はこういうミスがあったけど、こう修正していこう」と話して、プレーを確認する感じ。選手ともいい距離感を保っていて、クラブハウスに置いてある卓球台で一緒に遊ぶこともあるし、監督室でリラックスしていることもあるし、決してベッタリと近すぎる感じではありません。まさに、大らかな雰囲気を持った監督です。
最後に、日本の方によく聞かれる質問に答えておきますね。背番号「25」を選んだ理由です。去年マーリンズの「25」といえば、打撃コーチだったバリー・ボンズ。あの偉大なホームランバッターの番号を引き継ぐ形になってしまいました(笑)。本当は自分のラッキーナンバーでもある「35」を選ぼうと思っていたらフェルプスがつけていたので、「5」の入った近い番号で空いていたのが「25」だったんです。何の気なしに「25」を選んだ後で、「あ、そういえばボンズの番号だ」って気付きました(笑)。ジャイアンツの「25」というイメージが、あまりに強いので。同じ番号を付けることを光栄に思いながら、頑張りたいと思います!
開幕まであとわずか。万全の準備を整えて、いいスタートを切りたいと思います。次回は開幕後にリポートしますね。
【了】
マイアミ・マーリンズ 田澤純一●文 text by Junichi Tazawa