サヨナラ失策で敗戦 神戸国際大付「小さなエース」が明かす“本当の敗因”
「今日はピンチでも落ち着いて投げられた。でも…」、黒田が悔やんだ1球とは
「今日はピンチでも落ち着いて投げられたと思います。でも、9回は普段は出さない四球を先頭で出してしまったことが悔しいです」
このイニングの先頭、5番の星野にカウント3-1から投じたストレートが高めに外れ、四球を出していた。5回以降は無安打投球。まして、9回表で無得点に終わり、延長戦でしか勝ちがなくなった直後、なんとしてもムードをもり立てたいところ。それだけに、先頭打者が重要になることを理解していたからだろう。サヨナラのリスクがつきまとう先攻で、不必要に四球を出した1球で、味方にプレッシャーを負わせたことを悔やんだ。
「(9回は)併殺を狙って低めに投げられた。粘り強くは投げられたと思います」
そう言って、前を向いた左腕に涙はなかった。試合には敗れたが、2ケタ10三振を奪い、6安打2失点と好投。地元の大声援を受け、ファンの記憶に残る熱戦を演じた。背番号1を背中に着ける者の矜持を示した黒田。春に得た苦い教訓を糧に、夏、もっと大きくなって再び甲子園に戻ってくる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count