最大4連戦が浮上 センバツ過密日程の是非 米国は今年から球数制限導入
1試合上限&登板間隔を規定、WBC米国代表左腕は賛同「長い目で見れば投手に利点」
1980年創刊の米野球専門誌「ベースボール・アメリカ」によれば、州の高校体育連盟により、それぞれ規定が施されているという。公式戦は1試合の上限を定め、球数ごとに次戦までの登板間隔を規定。枠組みは、ワールド・ベースボール・クラシックと同じだ。
例えば、野球が盛んなカリフォルニア州では1試合の上限は110球。31~50球で1日、51~75球で2日、76球以上で3日の登板間隔を置かなければならない。1試合の上限が最も少ないウィスコンシン州で100球、最も多いオハイオ州などで125球。全体でいえば、110球前後が相場で、最大で5日間の登板間隔が設けられている州もある。
米全国紙「USAトゥデー」では、特集を組み、現役メジャーリーガーの見解を紹介。ブルージェイズで昨季20勝を挙げ、WBC米国代表に選ばれたJ.A.ハップは、高校生の球数制限に賛同している。
「長い目で見れば、投手にとって利点があると思う」とした上で、自身の高校時代を回想。「僕も一度、186球を投げたことを覚えているよ。あれは多かった。投球過多がどれほどのダメージを及ぼすのか、もしくは及ぼさないのか、ということはきっとこの先もはっきりとしないかもしれない。ただ、僕が言いたいのはどこかしらに因果関係があるはずだ、ということだ」とし、高校生の球数の多さが故障とは無関係でない――との立場に立っている。
一方、記事ではプロ注目の現役高校生の意見も伝えている。ハーゲン・ダナー投手は、将来的に全米ドラフトで1巡目指名が予想される逸材だが、最終学年は登板過多を避けるため、80球を上限にしていたという。
「最近は若い世代の選手の怪我がとても多いし、ルールは必要だと思う。ただ、このルールはまだ球数が少し多いかなとも思う。個人的には90球以下にするべきだ。僕らの世代の選手は100球以上、投げるべきではない」とし、現行の球数制限でもまだ多い――との考えを示している。
米国でプレーする高校生の実情は、多少の“痛い痒い”ならマウンドに立つことが珍しくない日本との温度差が、少なからずあるようである。