前職は生命保険の営業、四国IL香川の異色女性球団社長「総合優勝を狙いたい」
「球団をすごく大事にしてくださるファン」の存在に感動
「就任したばかりなので、現場を知りたいし、野球のノウハウも勉強したいと思っています。今の自分に何ができるかなと考えて、球場の入り口でファンの皆さんにごあいさつをしたり、清掃をしたり、グッズ販売も担当しています。じっくり試合を見る機会はありませんでしたが、来季に向けては試合やグラウンド内のことも学びたいです。
感動したのは、ファンの方が毎試合来てくださって、お手伝いしてくださること。7回表終了時にジェット風船を飛ばした後は、ファンの皆さんが拾ってくださいますし、ファウルボールの警告の笛もファンが率先して吹いてくださいます。球団をすごく大事にしてくださるファンがいらっしゃることに感動しています。
まだ私は直接チームや選手にかかわることは多くありませんが、個性が一人一人違いますし、みんなが子供のようにかわいいです。みんなの頑張りをもっと多くの人に見てほしいと思いますね」
――経営面で気を付けていることは?
「球団の経営指標には、観客動員数、チケット収入、選手の強化など様々な要因がありますが、全体的なバランスが大事だと思います。編成会議にも出席していますので、今後は監督、コーチと深い話をしていきたいと考えています。
香川オリーブガイナーズは11年連続でNPBに選手を送り出しているので、すごくプレッシャーを感じます。今年もドラフトで指名されるようバックアップしていきたいと思います。
スポンサーへの営業には、前職の経験が役立っています。既存のスポンサーにご挨拶したり、新規を開拓したり、そちらは得意な業務ですので、まずは財政面を整えるためにも新規開拓を広げていきたいですね」
――ご家族はどのように仰有っていますか?
「夫と高校生の娘がいます。夫は当初から私がすることを支え、応援してくれています。娘はボランティアスタッフとして手伝ってくれます。学校の先生が『今日、お母さんテレビに出てたよ』と教えてくれるそうです。家族の支えも張り合いになります。
去年の最多入場者数は約1700人でした。後期はこれを上回って2000人の動員を目指します。チームとしてはもちろん、後期優勝、総合優勝を狙いたいですね」
【了】
広尾晃●文 text by Koh Hiroo