「まだ野球をやってええんや」―期限を定めたメジャー挑戦、中後悠平の今
5試合で10失点…今季経験したつまずき「これを乗り越えないと意味がないんです」
今季初めて経験する2Aは、若手有望株のひしめく場所。「投げごたえのある場所だし、凄いスラッガーもいる。ハツラツとして真っ直ぐな勝負ができる」と感じている。6月を終えて27試合(40回1/3)に登板して防御率2.83。まずまずの数字を残しているが、4月下旬から5月上旬にかけて、ちょっとしたつまずきを経験した。5試合に登板して10失点。武器となるべきスライダーが曲がらず、課題の四球も増えた。「あの時は何を放っても打たれましたね」と振り返る。
「5月の頭に一気に崩れた時に、去年のことをもう一回思い返したんです。ホンマ野球を辞めるしかないって状況からアメリカまで来れたんで、小さなことでメソメソしてもしゃあない、目の前の試合を楽しんで一生懸命抑えようってやっていた。それが今年はメジャーキャンプも経験させてもらって、具体的な目標が見えてきて、ちょっと先のことを考えるようになっていたんですね。いいところ見せないと、結果を出さないとって。
正直、去年が順調だったんで、今年も『抑えて当たり前やろ』って気持ちもあった。だから、打たれた後をどうするかっていう部分を考え切れていなかったから、課題の四球も多く出してしまったし、立て続けにガタッと来てしまった。でも、これを乗り越えないと意味がないんです。
去年は遙か上の存在だったメジャーが、今年は近く感じるようになった。キャンプ中にバックアップ要員として、チェースフィールドに行ったんですよ。ホントに大きな球場でロッカールームもすごかった。感動しました。今年のダイヤモンドバックスはいい位置にいるんで、昇格は難しい状況にあると思うんですけど、1試合1試合抑えるのが僕の仕事。それでロースター枠が広がる9月にでもメジャーに呼んでもらえたら最高ですね」