「何だ、今の?」 ホークス千賀の代名詞「お化けフォーク」誕生の秘密
当初はスライダーが武器、フォークは「全然変化しなかった」
「千賀=お化けフォーク」のイメージは、プロ野球ファンに完全に定着したが、このフォーク、元々は「使い物にならなかった」というから、驚きである。
愛知の県立蒲郡高出身の千賀。愛知といえば、愛工大名電や中京大中京といった私学が甲子園出場の常連。千賀の蒲郡高も、県内でもそれほど名が通った高校ではない。プロ入りは2010年の育成ドラフト4巡目。当時の千賀は、スライダーを武器とする投手だった。
「高校のときから投げていましたけど、投げていたと言っても、ほとんど使い物にならないものでした。全然変化もしなかったですし」。高校時代から持ち球にフォークはあった。だが、今のような変化をするわけでもなく、それどころか、全くといっていいほど変化しない代物だったという。
プロに入ってからも、しばらくはその変化には変わりがなかった。2012年にファームで結果を残し、4月23日に支配下登録をされたが、この時もフォークが武器ではない。転機が訪れたのは、プロ3年目の2013年。この年、千賀は中継ぎとして1軍に抜擢され、51試合に登板。1勝4敗17ホールド1セーブをマーク。初めてオールスターにも出場した。
“お化けフォーク”の誕生は、突然のことだったという。千賀が振り返る。