球史に残る10人の野球人の「22歳の夏」
22歳がルーキーイヤーとなった野茂、松坂はプロ入り初の挫折の年に
○野茂英雄 1968年8月31日生まれ
22歳の夏は1990年。前年ドラフトで、新日鐵堺から8球団が1位指名で競合する騒ぎを経て近鉄に入団。4月29日にはNPB記録の1試合17奪三振をマーク。7月15日時点ですでに9勝。この年、MVP、沢村賞、新人王、最多勝。5試合連続2桁奪三振のNPB記録も打ち立てる。
○イチロー 1973年10月22日生まれ
22歳の夏は1995年。前年に登録名を鈴木一朗からイチローに改め、210安打のNPB記録を樹立するなど大ブレーク。2年目のこの年は1月に阪神淡路大震災が起こり、所属するオリックス・ブルーウェーブも被害を受ける。「がんばろう神戸」のスローガンでチームは復興を励ます。イチローもこの年、首位打者、打点王、盗塁王、最多安打を獲得。2年連続でMVPに選ばれる。
○松坂大輔 1980年9月13日生まれ
甲子園優勝投手として鳴り物入りで西武ライオンズに入団。1年目から3年連続で最多勝。高校野球のエースからプロ野球のエースに。22歳になる年の夏は2002年。プロ入り4年目、開幕から6連勝を飾り、4年連続最多勝は確実化と思われたが、右ひじを負傷。6勝どまり。野球生活初めての挫折の年だった。
○ダルビッシュ有 1986年8月16日生まれ
22歳の夏は2008年、前年、奪三振王を獲得し、エースとなる。8月の北京五輪では先発として活躍が期待されたが0勝1敗に終わる。しかしペナントレースでは圧倒的な投球を見せ、16勝4敗、防御率1.88を記録するが、21勝4敗、防御率1.87の楽天、岩隈久志に僅差で敗れ、タイトルを逸する。
(広尾晃 / Koh Hiroo)