鋭いスイングの秘密は10種のバット…大阪“公立の雄”大冠が東海大仰星破る
東海大仰星の津沢主将「テングにだけはならないようにと…」
東海大仰星はエース番号を付けた河内大地が好投を続けながら、8回に大冠打線に捕まった。「継投は考えてはいましたが、7回の切り方(抑え方)が良かったので、そのまま続投させましたが…ここは高校野球の難しいところですね」と上林健監督は振り返った。それでも春は府大会、近畿大会と強豪校をはねのけ、勝ち上がるごとに自信をつけてきたチーム。何より100人を超える部員をまとめてきた津沢大星主将が柱となる組織力も大きな武器だった。
「大黒柱(津沢)がいて、ここまで来られた。彼の発言にみんなが耳を傾けて、全員で戦ってきた」と指揮官。津沢も「近畿大会で準優勝して、テングにだけはならないようにとみんなで言い合ってきました。実際にそんな選手は1人もいなかったですが、春から夏にかけて伸びきれなかったところがあったのかも知れません」と大粒の涙をこぼした。
春に自信をつけても、なかなか勝ち上がることが難しいのが大阪の夏。また一つのチームの夏が終わったが、今日の試合で見せた大冠のひと振りが、他のライバル校の闘志に火をつけたことは間違いないだろう。
(沢井史 / Fumi Sawai)