将来の夢は宇宙業界勤務、京大目指す北野高の好左腕が最後の夏に幕

試合後、「ここまで投げられたのはみんなのお陰」と振り返った北野・牧野斗威【写真:沢井史】
試合後、「ここまで投げられたのはみんなのお陰」と振り返った北野・牧野斗威【写真:沢井史】

昨年末に選ばれた大阪府選抜チーム、ハイレベルな選手と過ごせた貴重な時間

 第99回高校野球選手権大阪大会4回戦、注目の公立対決は、強力打線を擁する大冠が、北野の好左腕・牧野斗威を攻略し、8-2でベスト16入りを果たした。自慢の打線が序盤から爆発し、終始主導権を握った大冠のしたたかな攻撃力が目を引いた。

 どんな状況に陥っても、何一つ表情を変えず黙々と投げ続けた。橋下徹前知事など多くの著名人を輩出している大阪府下屈指の進学校・北野高。そのマウンドに立った牧野は、ゲームセット後も穏やかな表情で整列に加わった。「ピンチになっても、みんなが声を掛けてくれて…。今日は調子があまり良くなかったですけれど、ここまで投げられたのはみんなのお陰ですし、仲間がいたからここまで成長できたと思います」と振り返った。

 昨秋の府大会でベスト8入りし、キレのあるスライダーを武器とした牧野のピッチングは日に日に評判になっていった。準々決勝では大阪桐蔭に完敗したものの、並み入る強打者を苦しめた投球術に注目度はさらに増し、昨年末に行われた大阪府選抜チームに選ばれ、台湾遠征も経験。履正社の安田尚憲や若林将平などの強打者や、上宮太子の森田輝など、レベルの高い選手たちと共に過ごした時間は、今でも何にも変え難い貴重な経験だったと思っている。

「あのメンバーの中でプレーして、勝つために何をするとか、どんな練習をすればいいかとかすごく勉強になりました」

 遠征の中で得た情報を持ち帰り、チームに還元するだけでなく、自身の教訓として冬の練習にも一層熱が入った。

「京大に入学できれば、野球部に入って、また投手としてプレーしたいです」

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