多くの名選手を輩出 全米を興奮させるカレッジワールドシリーズの魅力
48年開場のローゼンブラット・スタジアムも、大学野球にとっては伝説的な場所
オマハにはカレッジベースボールにとって欠かせない場所もある。ダウンタウン南にある48年開場のローゼンブラット・スタジアム。マイナーの本拠地とともに10年までCWSでも使用されていた(CWSの歴史、ほぼすべてを見守ってきた)。
かつて多くの名勝負がおこなわれた球場も、閉場してからは廃れてしまい寂しい状態に。しかし、今でも多くのファンが足を運び、フィールド内まで足を踏み入れることができる。将来的にはリトルリーグ・フィールドとして再生するそうだ。
筆者が現地を訪れたのは、旧球場のラストイヤー(10年)と新球場へ移ってからの2年目(12年)の大会。新球場はラグジュアリーシートなども十二分に完備された、近年ブームの「新古典的」な造り。そして、旧球場は長年使用してきた「味」がにじみ出ていた(フェンウェイパーク=ボストン、リグレーフィールド=シカゴのよう)。どちらもアメリカの大学野球に欠かせない場所だ。
オマハはクーパーズタウン(=野球殿堂・ニューヨーク州)などと共に、アメリカ野球の聖地と言えるかもしれない。3Aのマイナーチームがある。CWSも行われれば、かつて使用した歴史的球場も今後に活かそうといている。また、訪れた当時は町中のいたる場所で白球を追いかける子供たちを見かけた。『ミッドサマー・クラシック』は、MLBだけの専売特許じゃない。
中西部の夏は熱に溢れている。ここには野球を楽しむ最高な環境がある。これからも多くの野球ファンがオマハを目指す。
※1トラビス・ジャンコウスキ
外野手、右投左打。15年にパドレスでメジャーデビュー。16年は打率.238、2本塁打、30盗塁を記録。
(山岡則夫 / Norio Yamaoka)
山岡則夫 プロフィール
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」、「躍進する広島カープを支える選手たち」(株式会社舵社)。Ballpark Time!オフィシャルページ(http://www.ballparktime.com)にて取材日記を定期的に更新中。