滅多に出ないランニング本塁打、阪神上本が今季初、現役最多は松井稼頭央
日本プロ野球第1号本塁打もランニングホームラン
8月1日にマツダスタジアムで行われた広島ー阪神戦の7回1死、阪神の上本博紀が広島の中田廉から左中間にランニングホームランを放った。これは両リーグ通じて今季初の記録だった。
昨年9月19日の西武ー楽天戦(西武プリンスドーム)で、7回2死に楽天の茂木栄五郎が西武の多和田真三郎からランニングホームランを打って以来の出来事だった。
「ランニングホームラン」は和製英語だ。アメリカでは「inside-the-park home run」と言う。
球場の外野に明確な仕切りがなかった時代は、ホームランはすべてランニングホームランだったが、外野にフェンスが設置され、それをノーバウンドで越すとホームランというルールが誕生。結果、ランニングホームランは減少した。
日本のプロ野球第1号本塁打は、1936年5月4日、甲子園球場で大阪タイガースの藤井勇が、東京セネタースの野口明から左中間に記録したものだが、これもランニングホームランだった。当時の甲子園は、両翼110M、左中間は128Mもあったとされ、滅多に柵越えのホームランは出なかった。
公式記録には、柵越えのホームランとランニングホームランの区別はない。公式記録員はスコアブックにメモをするが、戦前には記載されていない例も多いので、ランニングホームランの総数は分からない。ただボールが粗悪で飛ばなかった時代、本塁打はかなりの割合でランニングホームランだったと思われる。