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高校野球で投球制限しても遅い―医師警鐘「指導者次第で子供の将来は変わる」

今年も夏の風物詩、全国高等学校野球選手権が開幕した。各都道府県大会を勝ち抜いた49校が、“聖地”甲子園で熱戦を繰り広げる。来年で節目の100回を迎えるこの大会。頂点を目指して戦う球児たちの思いは100年の歳月を経ても変わることはないが、彼らを取り巻く環境は大きな変化を見せている。

小中学生に多い障害「OCD」とリトルリーグ肘は指導法次第で回避可能

 小学生、中学生に多い肘障害の代表が、上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)と内側上顆下端裂離骨折(リトルリーグ肘)と呼ばれるものだ。いずれの障害も悪化すれば手術を必要とし、最悪の場合には高校入学以前に野球を諦めなければならず、日常生活に支障をきたすこともある。

 OCDとは、学童期での投げ過ぎや悪いフォームが原因となり、成長過程にある肘の軟骨が損傷、壊死、あるいは変形してしまう障害だ。投球時に痛みが生じることはもちろん、小学生や中学生の段階で、肘の可動域が悪くなる症状が見られる。

 リトルリーグ肘とは、やはり骨の成長過程で生じる特有の肘内側の障害だ。投げ過ぎや悪いフォームにより肘に負担が掛かった場合、学童期では骨がまだ弱いため、骨と骨をつなぐ靱帯が損傷するのではなく、靱帯に引っ張られて骨が一部剥がれてしまう。この裂離骨片に気付かずにいると、全力投球が出来なくなることはもちろん、将来的に肘靱帯損傷に進展してしまう原因ともなる。

 いずれの障害も「将来は野球選手になりたい」という子供たちの純粋な夢を、高校入学以前に打ち崩す残酷な結果を招くことがある。一人でも多くの子供たちが、こういった現実を避けられる方法はないのだろうか。「指導者の心掛け次第で、子供たちの将来は大きく変わります」と、古島医師は断言する。

「どちらの障害も、成長期にある子供の体に負担が掛かるから生じるもの。一度の試合や練習での投げ過ぎ、あるいは連投をしないように配慮すれば、避けられる障害とも言えますね。そして、子供が痛みを訴えた時にサインを見逃さないこと。多少の痛みの場合、子供たちは夢中になれば投げ続けてしまいますから、そこは指導者や両親が気を付けてあげるべきでしょう。

 OCDもリトルリーグ肘も、症状が悪化すれば骨軟骨片を移植するなどの手術が必要になります。ですが、それ以前の段階では、肘を休ませる保存療法が主流です。つまり、普段から使った肘を十分に休ませる練習メニューが組まれていれば、医師の診察を受けるまでには至らない。極端に言えば、肘に違和感を訴えた小学生が、その後の練習を1週間休むか休まないかで、将来の可能性が大きく変わることもあり得ます」

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