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高校野球で投球制限しても遅い―医師警鐘「指導者次第で子供の将来は変わる」

今年も夏の風物詩、全国高等学校野球選手権が開幕した。各都道府県大会を勝ち抜いた49校が、“聖地”甲子園で熱戦を繰り広げる。来年で節目の100回を迎えるこの大会。頂点を目指して戦う球児たちの思いは100年の歳月を経ても変わることはないが、彼らを取り巻く環境は大きな変化を見せている。

子供たちにとって理想的な練習メニューは?

 子供の健康に与えるリスクを考える重要性は分かっていても、どのような形で練習や育成に反映させていいのか分からない指導者も多いだろう。古島医師は「子供の体の成長に合わせた練習メニューを考えるといいでしょう」と話す。

「子供の体が成長期にある小学生のうちは、できるだけ野球などの投球動作以外のアクティビティーも多く取り入れるといいでしょう。学童期はゴールデンエイジと呼ばれ、この頃に学んだ体の動きは大人になっても忘れないと言われています。例えば、自転車や一輪車に乗ったり、逆上がりや逆立ち歩きをしたり。この頃に習得した動きは、運動を司る小脳という場所に記憶されるので、大人になっても“体の動き”として覚えていることが多い。

 野球は、ピッチングでもバッティングでも、体の片側に動きが偏るスポーツです。だからこそ、小学生の頃に野球に加え、いろいろなスポーツの動きを取り入れる練習をしておくと、子供たちは将来的に怪我の少ない体作りをすることができますし、運動神経の向上に役立ったり、肩肘を休ませることにもつながる。体の成長に合わせ、投球数を増やすなど、野球の練習の強度を上げていくのがいいでしょう」

 学童期の野球指導が子供たちの将来の可能性に大きく影響すると考える古島医師は、2015年、群馬県スポーツ少年団に働き掛け、指導者ライセンス制度を導入する取り組みに着手した。ライセンスは一番高いS級から、A、B、C、D級まで5段階あり、監督を務めるにはS級かA級が必要となる。日本体育協会公認の指導者資格を取得したり、県スポーツ少年団が開催する研修会に出席することでポイントが加算され、等級が上がる仕組みだ。古島医師は「指導者の意識が少しでも変わることが大切」と制度のもたらす影響に期待した。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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