オリ高卒新人が33回2/3で与四球「2」 田口2軍監督が「大切に育てたい」逸材

高卒ルーキーらしからぬマウンドさばき、目標は「球界を代表する投手」

 大多数の高卒ルーキーがそうであるように、山本の現在の主戦場はファームだ。7月19日の福岡ソフトバンク戦において、5回を投げて被安打3、奪三振3、与四球0、無失点という投球でプロ初白星を挙げると、8月3日にはウエスタン・リーグ1位の広島を相手に7回2/3を投げて被安打4、奪三振7、与四球0、無失点で2勝目。同12日の中日戦は勝敗はつかなかったものの、6回1安打1四球6奪三振無失点の好投を見せた。

 今季ここまでのファーム成績は、8試合2勝0敗28奪三振、防御率0.27。防御率の優秀さや奪三振能力の高さもさることながら、目を引くのは与四球数の少なさだ。計33回2/3を投げて、なんと与四球わずか「2」(与死球1)。高卒ルーキーらしからぬ落ち着いたマウンドさばきと、四隅を突くコントロールが光る。

 山本は、最速151キロの直球に加え、カーブ、スライダー、カットボール、シンカー、スプリット、チェンジアップなど、多彩な変化球を持つ。177センチ、77キロとプロの投手としては決して恵まれた体格ではないが、フィールディングや牽制も無難にこなすなど器用だ。ファームの試合では、強烈な投直をなんなくつかみ、自らを助けた場面も見られた。しなやかな投球フォームが、ドジャースの前田投手を彷彿とさせるという意見も聞かれる。

 目標は「球界を代表する投手になる」こと。まだ高校を卒業したばかりの18歳ということもあり、目先の結果は求められていない。田口2軍監督が「大切に育てたい」と目を細める逸材。チーム状況によっても、1年ごとにも、めまぐるしく立場が変わる厳しい世界であるだけに、今、試行錯誤が許される日々を大事にしてほしいところだ。奇しくもセ・リーグのスター選手の名を持つ山本が、チームを背負う投手となる日を、楽しみに待ちたい。

【動画】ウエスタンリーグで0点台の防御率をキープ、オリックス山本の魅せた奪三振

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