育成選手からブルペンの救世主に…ホークス左腕モイネロが打たれないワケ
モイネロの特長は「チェンジアップ」と「制球力」
まだ21歳のモイネロ。身長178センチ、体重69キロと、外国人選手としては身体は小柄で細身だ。この左腕のどこが秀でているのだろうか。
普段バッテリーを組むソフトバンクの甲斐は、左腕の特徴をこう語る。「チェンジアップじゃないですかね。あれは武器ですね」と、12日に大谷を3球三振に取った変化球を挙げた。「チェンジアップでも腕を振ってのチェンジアップ。ストレートと同じ腕の振りで投げられますよね」。しっかりと腕が振れるため、打者にとっては、見分けがつきにくく、タイミングを崩されやすいのだという。
それに加えて「左打者、右打者問わず、両サイドに投げ分けられるんです。コントロールもいいですね」と制球力にも優れているのだという。ストレートは150キロ前後をマークする。身体は細身だが、体全体を使って上から投げ下ろすフォームから繰り出されるまっすぐは「上からパチンッて叩いているので力強い」と、一見しただけでは分からない力強さもある。
元DeNAで、現在はMLBアストロズに在籍するユリエスキ・グリエルが、現在キューバで1番いい投手と評していたモイネロ。守護神のサファテをはじめ、岩嵜翔や森唯斗、嘉弥真新也といった中継ぎ陣が登板過多となっている現状にあって、このキューバ人左腕の存在は頼もしい。つい2か月前まで背番号「143」を背負っていたモイネロは、今、ソフトバンクのブルペン陣の救世主になっている。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)