完封勝利数の変遷に見る投手分業化の歴史、今やシーズン2桁完封は超レア!?

投手の分業化、球数制限…年々難しくなる完封勝利達成

 現在のNPBは、先発や救援など投手の分業が進んでいることに加えて、先発投手の球数も制限されるようになった。昔は150球を超える球数で完封勝利する投手も珍しくなかったが、今は100球を超えると多くの指揮官は投手交代のタイミングを考えるようになるという。

 8月17日楽天戦の菊池雄星は、4回に3四死球で満塁のピンチを迎えたが、それ以外は被安打2と危なげなかった。球数も111球。余裕をもっての完封勝利だった。

 以前よりも多くの条件が揃わないと、完封勝利の達成は難しくなっている。その代わり、先発投手が6回~8回を零封する記録が増えているのは、やはり時代の変遷なのかもしれない。

 今季3度目の完封勝利を遂げた菊池は、防御率も1.93と再び2点台を割った。先発投手にとって最高の栄誉である沢村賞の筆頭候補と言っていいだろう。今季終了までに、まだ8試合ほど先発機会がある。完封記録をどこまで伸ばすか楽しみだ。

 セ・リーグでは、巨人の菅野智之が現在3完封勝利。菅野にも、今季は残り8~9度の先発機会があると思われる。セの投手が5試合以上の完封勝利を記録したのは、2007年黒田博樹(広島)の7完封勝利が最後だ。
菅野がどこまで伸ばすのか、こちらにも注目したい。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY