センス光る仙台育英・西巻、「凄い選手ばかり」のU-18代表で「世界一」へ
広陵戦では負傷交代も回復アピール「当日よりはだいぶいい」
心配なのは右手の状態だ。広陵戦の7回に痛烈な打球がショートを守る西巻を襲った。「打球が変則に動いて来たので体を入れるしかないと思ったら間に合いませんでした。そのまま弾んで来たボールが直接、右手に当たりました。せめて回転があれば・・・。不規則な回転だったので、体で止めて、前に落としてやるしかないなと思ったのですが」。打球は右の手のひらの親指の付け根を直撃。一度はファーストへの守備位置の変更もアナウンスされたが、しびれもあり、力が入らなかった。「出たかったけど、チームに迷惑がかかるので、みんなに託しました」と、自ら交代を申し出た。
病院での診断は打撲。試合後は親指の先と人差し指の先をくっつけられる程度だったが、時間の経過とともに親指の先と薬指の先がくっつけられるくらいまで動かせるようになった。「当日よりはだいぶいいです。親指の付け根が腫れて圧迫されていましたが、(親指と中指、薬指を曲げて)ツーアウトができるようになりました」と、指で形を作って回復をアピールした。
西巻はU-18代表でチーム最小の168センチ、73キロだが、恵まれた野球センスに努力を重ねてきた選手だ。「このメンバーなので、自分は小技とかを求められるのではないかと思います。自分に与えられた役割をして、状況判断が持ち味なので冷静にプレーしたいです」と意気込む。
足さばきやグラブさばき、捕球から送球への速さと正確さ、体を反転させての送球などセンスが光る。投手としても140キロ近いボールを放る地肩の強さもある。結果的に打球は右手を直撃したが、球足の速い痛烈な打球も一瞬にして「体で止めようと思った」という判断能力など守備力はトップレベルだ。
守備のみならず、打っても判断力に長ける。広陵戦の3回には先頭打者としてレフトの右に安打を放ち、「打った瞬間に行けると思った」。シングルヒットでもおかしくない当たりだったが、二塁打にし、0-6から1点を返した。大会では木製バットを使用することになるが、「問題ないです。(木製バットで)ピッチャーと対戦するのは初めてなので楽しみです」と頼もしい。