堂々の1軍デビュー鷹3年目左腕・笠谷 衝撃を受けた“師匠”和田の助言とは

当初は杉内俊哉そっくりのフォームも「真似はやめました」

 昨年12月。ファーム本拠地「HAKWS ベースボールパーク筑後」でトレーニングを行なっていた和田に、弟子入りを志願した。全く話したこともない球界の大先輩。「5日間くらい、いつ声をかけようかと思っていました」。ロッカールームで意を決して、和田に願い出た。その時が「初めての会話でした」。

「和田さんの自主トレは凄いという噂は聞いていたんです。凄い練習はキツイけど、凄く身になるよ、と。同じ左投手ですし、お手本になる人となれば、やっぱり和田さんかな、と」

 志願して実現した和田の自主トレは質、量ともに想像を超えていた。「とにかく練習の量がきっちりされていました」。必死に16歳年上の大先輩の後を追い、アドバイスに耳を傾けた。

 その自主トレ期間中に、和田から授かった言葉は強烈だった。

「3万回同じ行動を繰り返さないと、体は覚えないよ。脳はそういう風に出来ているから」

 衝撃を覚えた。「3万回ですよ? でも、それくらい練習しないと、いい投手にはなれないんだなと思いました。あれだけ野球をされている方ですし、それくらいはやっていると思いますね。練習を見ていても本当に凄いので」と、その時の様子を振り返り、「1月の自主トレが僕にとって1番のきっかけになっています」と話す。日々のなんていうことのない練習に対しても、取り組む姿勢が変わったという。

 入団当初は、かつてソフトバンクに在籍した巨人・杉内俊哉投手を真似たフォームだった。本当にソックリだった。だが、3年経って、その時の面影は薄れつつある。「杉内さんの真似はやめました。自分には自分のフォームがあるので」。度重なる故障もあり“モノマネ”はやめた。和田の言葉に耳を傾け、野球人生で初めて、教えやトレーニング方法を書き留めるノートも作った。

1軍昇格を和田に報告、師匠からの激励の言葉

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