ロッテ鈴木が語る「6」の背中 偶然の握手から始まった「人生の不思議」
教えられた“プロで生きる意味”と“厳しさ”
こんなこともあった。ある試合で、井口は死球を受けた。ベンチに戻った際に状態を確認すると「大丈夫だよ」と爽やかな笑顔でニコリと笑ってくれた。あまりにも涼し気な表情にその言葉を鵜呑みにしていた。後日、ロッカーで着替えをする井口を見て驚いた。ボールを受けた場所は真っ青に腫れあがり、大きなアザができていた。痛みに堪え、何事もなかったように振る舞い、そして結果を出していたのだ。
「プロの世界で生きることの意味と厳しさを教えてもらいました。あれから僕よりも若い選手がたくさんマリーンズに入ってきて、自分が引っ張らないといけない立場になったけど、いつも井口さんに教えてもらったことやその背中から感じたことを伝えられるようにと思っています」
背番号「6」は9月24日のファイターズ戦(14時~、ZOZOマリンスタジアム)でユニホームを脱ぐ。プロの第一線で21年間、全力で戦い続けた日々に幕を落とす。ただ、これからもマリーンズの選手たちの胸の中で、その魂は確かに生き続ける。全力で挑み、妥協なく戦い続けた男の背中を忘れない。
共に歩んだ日々は決して長くはなかったが、得たものはたくさんある。鈴木もまた偉大なる大先輩の歩んできた道のりをしっかりと見つめ、同じように必死に走り続ける。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
「パ・リーグ インサイト」マリーンズ球団広報 梶原紀章