悪夢の骨折が一転チャンスに…ロッテ三木が得た井口と過ごす大切な時間

ロッテ・井口資仁【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
ロッテ・井口資仁【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

2軍球場での時間を利用「一日、一つひとつ色々と聞こうと思っています」

 もちろん、これまで1軍でも色々とアドバイスをもらってきた。昨年からは食事にも何度も連れて行ってもらい、色々と話を聞けた。ただ、もっともっと深く細かく聞きたいという願望があった。リハビリ組としてロッテ浦和球場で取り組んでいる今こそ、同じこの球場で引退試合に向けた調整を行っている大ベテランに時間をかけてじっくりと話を聞く最大のチャンスと感じた。

「一日、一つひとつ色々と聞こうと思っています。昨日は『井口さんの中で打撃に関してどれくらいチェックポイントがありますか?』と聞きました。細かく色々と話をしてくれた。『ホークス時代に王(貞治)監督はこんな話をしていた』ということも教えてもらいました。正直、自分たちは王会長の話は聞けない。でも井口さんを通して聞くことができて、とても勉強になった」

 リハビリは、骨折をしていない左手でのノックや片手のティー打撃やウェート中心。残った時間は大先輩を探し、時間が空いているところを見計らって、質問を投げかける日々を過ごしている。今しかできない事。この時間を大切に有効利用している。

 三木には忘れられない思い出がある。ある時、首脳陣から若手選手たちが全体練習前に早めに球場入りしての特守を言い渡された。数日後、「明日はナシ」と通達された。そして翌日、全員が指示された全体練習に合わせて集合をした。この光景を見ていた1軍首脳陣は若手選手たちに苦言を呈した。その後、ロッカーに戻った時、井口からも声をかけられた。

ベテラン井口の言葉で目覚めた三木「何のために練習をするか」

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