自己最多13勝目のホークス千賀、7回2死満塁で頭をよぎった1年前の光景

昨季最終登板、同じロッテ戦で迎えた8回2死満塁には粘りきれず

 昨季の最終登板となった9月27日、この日と同じ千葉でのロッテ戦。先発のマウンドに上がった千賀は、7回まで無失点の好投を見せていた。だが、2点リードの8回に2死一、二塁のピンチを招くと、井口に四球を与えて満塁に。さらに岡田、清田に連続押し出し四球を与えて同点とされ、ここでマウンドを降りた。

 この時まで12勝をマークしていたが、目の前にあった勝利を逃し、13勝以上が条件の最高勝率のタイトルも逃していた。その時と同じ、千葉で迎えた2死満塁のピンチだったが、今度はキッチリと抑え、昨季は掴めなかった13個目の白星を掴んだ。昨季とは違う投球に「あそこで四球を出したら、去年と同じ。悪いなりに抑えられたのは良かった」と語った。
 
「良くはなかったけど、要所を抑えてくれた」と言う工藤公康監督も「球速を出そうとしたところで出せるようになって、メリハリがつけられるようになってきている」と、昨季からの成長を認めた。

「真っ直ぐと曲がり球でいけて、そこは良かったかな、と。真っ直ぐはしっかり投げられましたし、これでフォークがついてこれば」と言う千賀。悪いなりにも、大崩れすることなく、抑える術を身につけた。ソフトバンクのエースとしての道を、一歩ずつ進んでいるといえるだろう。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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