【田澤純一コラム第5回】前半戦と後半戦の変化、大砲スタントンの意外な素顔

オーナーが変わっても、選手のやることは変わらない

 世の中では、マーリンズのオーナーが変わることも話題になっているみたいですね。あのジーターが新オーナーという話ですが、正直なところ、選手間ではまったく話題になっていません。チームから正式に何か聞いたわけでもないですし、オーナーが変わると言われても、いまいちピンとこない感じで…。オーナーが変わっても、僕たち選手のやることは変わらないですからね。毎日試合に勝てるように準備を整え、試合で全力を尽くすだけ。オーナーが正式に変わって、直接挨拶したら実感が沸くのかもしれませんね。

 僕自身は、抑える時もあれば打たれる時もあり、毎日が試行錯誤の連続です。とは言うものの、DL入り前とは少し違ったポイントで考えさせられるようになりました。今季前半は自分自身の状態が上がらず、配球よりも投げる球自体に頭を悩ませることが多かった。でも、DLを明けてからは状態はいいですし、球の質も決して悪くないと思います。今、課題としているのは、先頭打者を出塁させないことと、打者有利のカウントにしないこと。さらに、先頭打者を出した後、打者有利のカウントにした後の粘りです。

 自分が失点した試合を振り返ると、ノーアウトでランナーを背負うことが圧倒的に多い。打たれた場面を振り返ってみても、打者有利のカウントにしてしまい、狙われて打たれることが多いんです。同じ球を投げるにしても、前の1球をもう少し内側に投げておけばよかったんじゃないか、とか、2球前をスライダーにしておけば違う印象づけをできたんじゃないか、とか、前半とは反省する内容が変わっています。変わらないのは、失点したままでは終わらせず、しっかり反省して、次につながるヒントを見つける作業。これは現役選手でいる間は、何度も繰り返すルーティンですね。

 レギュラーシーズンは残り1か月を切りました。例年試行錯誤の日々を送ることは変わりませんが、今年はいつも以上に考えさせられることが多いシーズンです。それも、さらに投手としてステップアップするためには必要なこと。最後までチームが1勝でも伸ばせるように貢献し、そして自分にとっても来年以降につながる手応えをつかめるように頑張ります。

(田澤純一 / Junichi Tazawa)

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