【田澤純一コラム第5回】前半戦と後半戦の変化、大砲スタントンの意外な素顔

マーリンズ・田澤純一【写真:Getty Images】
マーリンズ・田澤純一【写真:Getty Images】

本塁打量産のスタントン「柵越えギリギリという打球は1つもない」

 マーリンズ救援陣の一角として勝利に貢献している田澤純一投手。前半戦は投球に悩み、肋軟骨を痛めて故障者リスト(DL)入りしたが、後半戦はここまで23試合に投げて2勝3敗、7ホールドを記録。ナショナルズが独走するナ・リーグ東地区で2位につけるチームで奮闘する。DLから復帰後は、失点しても「前とは考えるポイントが変わってきた」という。果たして、右腕の中にどんな変化が生まれたのか。また、史上9人目のシーズン60本塁打が期待される主砲スタントン、来季から変わる球団オーナーについてなど、第4回連載コラムで余すところなくリポートしてくれた。

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 マーリンズの田澤純一です。メジャーでは9月に入るとロースター枠が拡大されるので、チームも少し賑やかになりました。後半戦は連敗が少なく、8月下旬には一時貯金が3まで増えたことも、チームの雰囲気に影響しているのかもしれません。また少し負けが込んで勝率5割を切っていますが、チームのムードは明るいままです。

 今、マーリンズで旬と言えば、何と言ってもスタントンですね! 今年のスプリングトレーニングで最初に対戦した時、ホームラン性の打球を飛ばされました。その時もチームメイトでよかったと思いましたが、ホント、チームメイトでよかったです(笑)。柵越えギリギリという打球は1つもない。全部文句なしの大きな当たり。どの球場で打っても間違いなくホームランです。やっぱりスター選手にスイッチが入ると、チーム全体が盛り上がります。

 スタントンは身体も大きいし、ド派手な打球を飛ばすので、一見すると「俺が俺が」と前に出るタイプに思われがちですが、実は性格は全然派手じゃないんです。クラブハウスでも大騒ぎする姿は見たことないですね。どちらかというと、一歩引いたところから、周り全体を冷静に見ている感じ。打撃の調子がいい時も悪い時も、それは変わりません。静かに闘志を燃やすタイプ。僕もチームメイトになって初めて知り、少し意外な感じがしました。60本超えが話題になっているようですが、どんどん打ってほしいです。レッドソックスで一緒だったデービッド・オルティスもそうでしたが、ホームラン一発で流れを変えられる人は、そうそういません。こうやって、いろいろな選手と野球ができるのは、本当に幸せなことです。

オーナーが変わっても、選手のやることは変わらない

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