西武源田と中日京田の“ミスター越え”なるか…長嶋茂雄氏まで残り15本
NPB記録は佐々木信也の180安打、セ・リーグ記録は長嶋茂雄の153安打
1位の佐々木信也は湘南高校時代に夏の甲子園で優勝。慶應大学の花形二塁手として活躍したが、1956年に創設3年目の高橋ユニオンズに入団。新人ながら3月21日の開幕戦に「1番・二塁」で先発した。この年のパ・リーグはNPB史上最多の1チーム154試合制だったが、フル出場を果たして180安打、リーグ最多安打を記録した。高橋ユニオンズは翌年大映と合併。佐々木は4年で引退するが、その後スポーツキャスターとして「プロ野球ニュース」をはじめ、様々なメディアで大活躍したことは広く知られている。
2位の笠原和夫は早稲田大学を卒業後、第2次世界大戦を経て、社会人を経験後に南海入り。1948年に140試合に出場し、160安打を放った。
3位は立教大学のスターだった長嶋茂雄。“ミスタージャイアンツ”の登場で、プロ野球ブームが巻き起こった。
4位の河内卓司は慶應大学から大洋漁業に進み、1950年にプロ入り。新人とは言え、すでに30歳だった。昨年96歳で死去している。
5位の榎本喜八は早稲田実業からプロ入り。1年目でデビューした当時は、わずか18歳で天才打者の名を欲しいままにした。高卒新人選手では榎本の146本が最多だ。
今年の源田と京田は、これら大先輩の記録に次ぐ位置にいる。西武と中日は共に今季は11試合残っている。佐々木信也の180本はアンタッチャブルだとしても、2位の長嶋茂雄の153本は十分に狙える位置にいる。中日の京田が追いつけば、セ・リーグ新記録だ。
昨年も高山俊が136安打で阪神の新人安打記録を更新、茂木栄五郎も118安打で楽天の同じ記録を更新した。最近は、若手選手の思い切った抜擢起用が功を奏していると言えそうだ。
残り11試合。源田と京田はどこまで数字を伸ばすだろうか?
(広尾晃 / Koh Hiroo)