「1球1球、大切に」―ソフトB工藤監督が見た、攝津好投の要因
「今後の彼の野球人生にこのピッチングが生きる」
攝津の最大の武器といえば、正確無比なコントロール。だが、今季はそのコントロールが微妙に狂った試合が多かった。4月29日のオリックス戦(京セラD)で3回6安打4四死球で6点を失っただけでなく、四死球は少なくても、際どいボールがわずかにゾーンを外れてカウントを悪くし、自らを追い込んでいく場面が目についた。
この日は、打者の両サイドを丁寧につき、真っ直ぐ、カーブ、シンカー、カットボールを左右高低に投げ分けた。ストライク先行でカウントを整えていき、6回まで三塁を踏ませなかった。
5月24日のロッテ戦(ヤフオクD)から4か月。35歳となった攝津は若手に混じって汗を流してきた。「この4か月間しっかり2軍でやってきたものがピッチングの中に出ていたと思う。気持ちも、1球1球大切に投げているように見えました。今後の彼の野球人生にこのピッチングが生きるんじゃないかと思います」と工藤監督。クライマックスシリーズに向けて“攝津健在”を指揮官にアピールするマウンドになったのではないだろうか。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)