史上2人目の10年連続50試合登板 日ハム宮西、“鉄腕”誕生秘話(前編)

日本ハム・宮西尚生【写真:荒川祐史】
日本ハム・宮西尚生【写真:荒川祐史】

中日岩瀬に続く快挙達成、忘れてはならない試合「あのときはしんどくて」

 日本ハムの宮西尚生投手が26日、京セラドーム大阪でのオリックス戦で10年連続50試合登板を達成した。中日の岩瀬仁紀投手の15年連続に次ぐ、NPB史上2人目の快挙だ。今季は史上2人目となる通算250ホールドも達成。日本ハムから生まれた鉄腕誕生秘話を前後編に渡ってお届けする。

史上2人目の10年連続50試合登板 日ハム宮西、“鉄腕“誕生秘話(後編)

 この快挙を達成するにあたり、忘れてはならない試合がある。入団1年目の08年9月28日ロッテ戦(札幌ドーム)。1-4で敗戦濃厚の9回2死から5番手で宮西がマウンドに上がった。打者3人に投げてアウト1つを奪ったこの試合で、新人ながら50試合登板を達成した。

 実は、宮西自身はこの登板に乗り気ではなかった。レギュラーシーズン142試合目、すでに心身ともに疲労困憊だったからだ。「あの時はしんどくて。成績だって抹消されても良かったくらい。体力的にも精神的にもきつくて、投げたくないと言ったんです」と振り返る。

 それでも強引にマウンドに送り出したのは当時の厚沢和幸投手コーチ(現ベンチコーチ)だった。「この1試合は将来、絶対に財産になるから、投げた方がいい」と渋るルーキー左腕の背中を押した。

厚沢コーチ「初日のブルペンを見て、10年中継ぎをやっていけると確信しました」

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