ドラ1対決、プロ初先発、初安打、初盗塁…次世代が躍動した29日パ・リーグ

プロ初先発のロッテ成田、チームメイトの大木はプロ初安打&初盗塁

 藤平投手は3回裏に満塁を招き、またも自力でそのピンチを切り抜ける。北海道日本ハム打線の好打順に対して踏ん張ったが、綱渡りのような展開が続いたためか、3回無失点でマウンドを降りることになった。

 最終的に堀投手は5回までを投げ、被安打6、奪三振3、与四死球0、失点1という、高卒ルーキーの初先発としては申し分のない投球内容で降板。味方打線の反撃を信じて2番手以降にマウンドを譲ったが、楽天の小刻みな継投の前に北海道日本ハムは得点できず。茂木選手の2ランで追加点を挙げた楽天が3-0で勝利し、堀投手は敗戦投手となった。だが、1軍で毅然と5回を投げ切ったことは、確実に「次」につながる経験となったに違いない。

 また、ZOZOマリンスタジアムでは、2年目の成田投手もプロ初先発登板。今季は中継ぎで2試合に登板し、いずれも無失点だったため、満を持してまっさらなマウンドに上がった。結果的には、5回と6回にそれぞれ被弾し、敗戦投手となってしまったが、チェンジアップやスライダーを巧みに駆使し、4回表までオリックス打線を1安打に抑える好投を見せた。

 成田投手が降板した7回表からは、大卒ルーキーの佐々木投手がその後を受けた。今季の中盤はなかなか結果が出ず、防御率も5.98まで悪化するなど苦しんだが、ファーム調整を経て1軍に復帰した最初の登板で完投勝利。本来は28日の試合に先発する予定だったが、雨天中止となったため、この日に中継ぎ登板し、3回を無失点に抑えた。今季は史上初「5球団競合の外れ1位指名」を受けるだけのポテンシャルを示しながらも、試行錯誤の日々が続く。佐々木投手自身の将来にとって、収穫の多いルーキーイヤーになっていることだろう。

 北海道日本ハムの堀投手、楽天の藤平投手、千葉ロッテの成田投手、佐々木投手など、29日はこれからの球界を担うかもしれない新星が、大きな経験値を得た日となった。育成から這い上がり、支配下登録を勝ち取ったロッテの大木選手も、めでたくプロ初安打と初盗塁を決め、オリックスの吉田一投手は自身初の完封勝利を挙げている。

 悲喜こもごも。今日という日が納得のいくものになった選手もいれば、痛い経験をして何かを学ぶ日になった選手もいることだろう。いずれの経験も糧にして、より多くの選手たちが球界を引っ張る選手になってくれることを願ってやまない。

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