鉄腕・宮西の生みの親 絶大な信頼を寄せられる日ハム厚澤コーチの手腕
「僕はどうでもいい。選手に上手になってほしいし、1年でも長くユニホームを着てほしい」
手当たり次第に修正してきたわけではない。フォームを変える際には慎重に慎重を期する。「いじる前にどうなるか、何パターンかイメージする。美容室で髪を切るのと一緒。いじった後は戻せないから」。コミュニケーションを重ねて、育成にあたってきた。
コーチとしての信条は、選手第一。「僕はどうでもいい。選手に上手になってほしいし、1年でも長くユニホームを着てほしい。『あっ本当だ!』と思ってもらえることがうれしいよね」と話す。
昨季から日本では馴染みの薄いベンチコーチを務める。選手を直接指導するのではなく、監督に相談されたら答えるのが仕事だ。ヘッドコーチのように他の部門を統括する訳でもない。「スコアラーと連携は多い」とその頭脳で昨季の日本一に貢献した。
現在はBクラス転落の原因究明に忙しい。「調子が悪かったとか、けが人が多かったでは済まされない。今年なんで失敗したのか。それを繰り返さないようにしないといけない」。その観察眼と研究心でチーム建て直しの一端を担う。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)