「情熱はある」― ダルビッシュ恩師が抱く自身3校目の甲子園への思い

米倉は「素材的にはピカイチ」、再び過酷な練習へ

 首をひねる指揮官。「2人とも練習試合には強いのに、重圧のかかる公式戦になると弱い。新チームになって今日で30試合目だけど、東海大菅生と佐久長聖に負けただけ。山村さんより強いチームにも勝ってきた」と残念がるというよりあきれる。

 米倉の最速は146キロ。7、8月の1日1000回の腹筋をはじめとする体力・筋力強化により、150キロも期待された。若生監督は「指導してきた投手の中でも素材的にはピカイチ。でも勝負に弱い。特にランナーがいる時は全然駄目。球を置きにいってしまう」と指摘した。

 来春まで、また過酷な練習が待ち受ける。

「孫みたいな選手だし、特に多くは言わない。もっと練習しなさいと言うだけだね」

 いつまで監督を続けるのか――。そう水を向けるとニンマリしながら「もう年だからなあ。でも情熱はある」と答え、「東北と九州国際にあって埼玉栄に足りないのは、粘り強さとしつこさ。そこを何とかしたい」と言って長い取材を結んだ。

 ユニホームは東北、九州国際大付属と同じ縦じまで、胸のチーム名もローマ字に変えた。あとは甲子園だ。

(河野正 / Tadashi Kawano)

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