「福岡発 売り子名鑑」メンタル強いストイック女子、自己最高は200杯
先輩の教えで開花、自己最高は200杯超え
その先輩からの教えで印象深いものがある。「売り子はスタンド内で声を出して歩きますが『その時だけが本番じゃないよ』と。『常にお客様に見られている存在だから、コンコースを歩いている時も、5回裏にやるダンスの時も手を抜いてはダメ。ビールを販売することばかりを考えるのではなく、売り子というものになるということを考えていこう』と」いうものだった。先輩の教えを基に、試行錯誤を重ね、自己最高は200杯を超えた。
陸上だけでなく、書道では師範代の腕前を持つ「めぐ」さん。「自分を追い込むのが好きなんです。メンタルは人一倍強いと思います」と自ら言うほどのストイック女子だ。小学生の時は、学校内の音楽発表会での伴奏者に憧れた。ピアノを習ったこともなく、家にピアノがあったわけでもない。「楽譜は読めたので、家で紙に鍵盤を書いて、それで練習しました。音はハーモニカとかリコーダーで合わせて。初めてピアノで音を出して演奏したのは、オーディションの時」。それで合格してしまうのだから、驚きだ。
一塁側内野席が持ち場の中心。キリンビールの中でも50円高く、売り子の数が限られる「一番搾り プレミアム」を担当することがほとんどだ。今季がラストイヤー。「50円高いのも関わらず、買ってくれる人に対して、おもてなし、接客でお返しできたらいいなと思いますし、4年間私から買ってくださったお客様に対して、ビールを売ることしかできないですけど、感謝の気持ちを何かお返しできたらいいなと。それを出していく1年のつもりでやってきました」。身長170センチの長身と白のシュシュ、金色の帽子が目印。集大成の時は、刻一刻と近づいている。
「ほぼ毎試合、試合開始前から最後までスタンドにいますので、声をかけていただけるだけでも嬉しいです。一番搾りプレミアムはギフト限定で、なかなか飲める機会のないビールですので、ぜひ飲んでみて欲しいです!」
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)