阪神・鳥谷、際立つ「選球眼」 最少本塁打で史上15人目の1000四球達成
本当の意味で「選球眼が良い」打者
この顔ぶれで通算137本塁打の鳥谷は最も本塁打数が少ない。鳥谷はシーズン最多本塁打が20本、実働14年で8年が1桁本塁打だ。相手チームの投手は鳥谷に対して、本塁打への警戒心をそれほど持っていない。思い切って攻めてくる。そんな中で鳥谷はじっくりと球を見極め、四球を選んでいた。鳥谷は本当の意味で「選球眼が良い」打者だと言えるだろう。
鳥谷の今季の四球数はリーグ5位タイの77。選球眼は衰えていない。今年、遊撃手から三塁手にコンバートされ、打率が前年の.236から.293と大幅に回復し、2000本安打も達成したが、成績不振だった昨年でも75四球を選んでいた。打撃の調子にかかわらず、四球数は安定してリーグトップクラスだったのだ。
連続試合出場記録を継続している鳥谷は、怪我や故障がない限り、来季も出場し続けるはずだ。そうなれば歴代12位の榎本喜八を抜き、11位の立浪和義に迫ると思われる。MLBでは「四球は安打と同等の価値がある」とされる。出塁率の高い選手は、打率の高い選手と同等、もしくはそれ以上の評価をされる。
地味な記録ではあるが、鳥谷は大選手の仲間入りをしたと言えるのではないか。
(広尾晃 / Koh Hiroo)