ホークス鉄壁リリーフ陣を支えた10年目岩嵜、芽生えた誇りと捨てた憧れ
「チームの中で自分というポジションを確立できた1年」
2007年の高校生ドラフト1位でソフトバンクに入団。150キロ超の真っ直ぐを誇り、長らく先発ローテの候補として期待されながらも、2011年の6勝が最高だった。なかなか芽が出ないままに、今季が10年目。華麗なる転身で、一気にチームに欠かせぬ存在となった。
シーズン当初は「50、60試合投げられればいいかなという感じだった」というが、気付けば、その数は70を超え「まさかこんなに多くなるとは思わなかった」と自身ですら驚く。だが、この70を超える登板数が、岩嵜のチームにおける信頼度の証だ。
「やっと自分のポジションを掴めたというか、チームの中で自分というポジションを確立できた1年だった。先発への思いはなくなりました。将来はどうなるかは分かりませんけど、今は全く先発に未練はないです。自分のポジション、やりがいのあるポジションを見つけられたと思っている。(これからも)中継ぎ1本でいきたい気持ちが強いです」
投手であれば、持っていてもおかしくはない先発への思い、憧れ、未練は捨て去った。中継ぎとして、その地位を確固たるものにした岩嵜翔。胸の内には、セットアッパーとしての矜持が芽生え始めている。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)