「ソン」ではなく「得してます」 育成出身の台湾人右腕が楽天のキーマンに
梨田監督もご満悦「ボールが強くなっているし、度胸もついてきた」
1年目の2016年はイースタン・リーグで6勝3敗、防御率2.44の成績をあげ、育成契約を延長。今季はチャイニーズ・タイペイ代表としてWBCにも出場。イースタン・リーグでは今季33試合に投げて8勝2敗5セーブ。防御率は4.28だったものの、7月31日には支配下契約を勝ち取った。
1軍デビューを果たした8月11日のオリックス戦(京セラD)では1イニングを投げて2失点だったが、梨田昌孝監督はその潜在能力を高く評価。「後半にちょっとテストして、厳しいところで使ってみて、走者いるところとかね」。クライマックスシリーズを見据えて、10月4日に再び1軍昇格を果たすと、そこから4試合連続無失点。10月10日のロッテ戦(Koboパーク)では打者4人に投げて、4三振と強烈なインパクトを残した。
クライマックスシリーズの秘密兵器としてメンバー入り。あえて大砲のアマダーをメンバーから外してまで、28人の登録枠に右腕を加えた。西武とのファーストステージ第3戦でも無失点投球をして“プロ初勝利”もマーク。そして、この日の好投。周囲の期待を上回る好投に、「(ソンではなく)得してますよ、本当に。今年支配下になって、初勝利がクライマックスでね。ボールが強くなっているし、度胸もついてきたのかな」と梨田監督も目尻を下げた。
初戦に続き、2戦目にも勝利して連勝を飾った楽天。ソフトバンクにはアドバンテージの1勝があるものの、これで2勝1敗とした。育成出身の台湾人右腕。楽天にとって、ファイナルステージ突破のキーマンとなるかもしれない。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)