「ある種の革命」―WS先勝のドジャース、先発投手陣が好投を続けるワケ
WS初戦もエース左腕カーショーが快投、その裏に存在する厳格なポリシー
ドジャースは24日(日本時間25日)、本拠地で行われたアストロズとのワールドシリーズ第1戦に3-1で先勝した。エース左腕クレイトン・カーショーが7回3安打無四球1失点11奪三振と圧巻のピッチングを披露し、念願のワールドシリーズ初の勝利投手となった。
ポストシーズンではここまで8勝1敗と盤石のドジャースの先発陣。唯一の黒星はカブスとの第4戦で先発したアレックス・ウッド投手。ただ、それも4回2/3を4安打3失点という内容で、それ以外の試合ではカーショー、リッチ・ヒル、ダルビッシュ有の先発トリオが好投している。
ドジャースの先発陣はポストシーズンでなぜ盤石のピッチングを見せているのか。ポストシーズンで先発からブルペンに配置転換となり、チームを支えている前田健太投手、そしてブランドン・マッカーシー投手が、地元紙「USAトゥデー」電子版の記事でその秘密を明かしている。
「過去数年、自分たちのチームではポストシーズンのような采配の試合がたくさんあった。リーグ全体を見回すと、不必要に先発投手を原因として負ける試合が未だにたくさんあるよね。『100球投げれそうだから、100球投げさせました』みたいな」
地区シリーズとリーグ優勝決定シリーズでは、レギュラーシーズン終盤戦に指にできたマメの影響でロースターから外れた右腕マッカーシーは、記事の中でこう語っている。ワールドシリーズではロースター入りし、ブルペンに回ったが、本来は前田同様に先発投手。今季レギュラーシーズン16試合に先発したマッカーシーの1試合の球数が100球を超えたのはわずかに1回だった。
先発投手陣の球数をコントロールし、酷使を避けるデーブ・ロバーツ監督の起用法は、ポストシーズンを勝ち上がり、1988年以来となるワールドシリーズ進出への道のりを見据えたものだったという。
記事ではマッカーシーの発言を裏付けるデータも紹介している。昨年、ロバーツ監督はレギュラーシーズンでメジャー史上最多記録となる606回の投手交代を行なった。今年は536回と継投の数は減ったが、先発投手が100球以上投げた試合はわずかに20試合だっだという。これはメジャー最少の数字で、ア・リーグ東地区王者レッドソックスでは先発投手は年間98試合も100球以上を投げたと伝えている。