「福岡発 売り子名鑑」目印は「大きな口」 看護師を目指す“白衣の天使”の卵
キャリア4か月で自己ベストは軽く100杯超、その秘訣は…
「体力には自信はあったんですけど、実際にやってみたら7回くらいでフラフラになりますし、階段の1番上まで登らないといけないのはキツイなと思います。まだそれには慣れません」
約15キロのタンクを背負いながらのスタンドの昇り降りは、見た目以上に重労働だが、「しんどいですけど、しんどいからこそ頑張ろうと思えます」と懸命に汗を流している。
売り子を始めて、まだ4か月ほどだが、自己ベストは100杯を軽く超える。そこに隠された売り子の秘訣を教えてくれた。
「階段を登るペース、降りるペースが大事なんです。登る時はゆっくり登るんですけど、降りる時は速く降りたほうが無駄な時間が少なくなります。降りるときはお客様の後ろからになるので、買ってもらえることはほとんどないんです。前から目線を合わせたほうが気付いてもらえますし、視界も広い。売り子は上を向いているときがメインなんです。階段を降りるペースは、見ていただけると分かりますが、みんな速いと思います」
ただ声を上げているだけではないのである。
売り子の魅力について「私、口が大きいので、少し笑っているだけでもめちゃくちゃ笑っているように見えるらしく、お客様に『笑顔がいいね』と言って頂けることが多くなりました。『待ってたよ』と言って頂ける方がいたりして。そういう方がいると嬉しいですし、疲れていても、体力が回復します」と語る「みいこ」さん。三塁側外野席が売り場の中心で、目印は水色のシュシュだ。
「シュシュもつけていますけど、目印は大きな口だと自分で思っています。常に笑顔を心がけていますので、大きい口を目印に私のことを見つけていただけたら、と思っています。よろしくお願いします」
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)