7球団競合、単独指名、サプライズ指名…今秋ドラフトの“勝ち組”はどこ?
2度以上抽選を外した巨人、阪神、楽天、ソフトバンクは…
一方、2度抽選を外したのは巨人、阪神、楽天の3球団。
巨人は清宮、村上を外し、外れ外れ1位で中央大の鍬原拓也投手を指名。驚きだったのは、2位で大阪ガスの岸田行倫、3位でNTT西日本の大城卓三と、社会人捕手を連続で指名した点だ。さらに育成選手でも2人の捕手を指名している。小林誠司が正捕手となり、宇佐見真吾が台頭している中で、確かにこの2人に続く存在はいないが、育成を含めて4人もの捕手が必要だったのか。投手は1位の鍬原1人だけ。捕手2人、内野手4人、外野手1人と偏ったドラフトになった感は否めない。
清宮、村上を立て続けに外した楽天は岡山商科大の近藤弘樹投手を1位で、慶應大のスラッガー岩見雅紀外野手を2位で指名。4位までを大学生が占めた。長距離砲が外国人頼みだったところがあり、日本人の大砲候補である岩見を2位で取れたのは好材料だ。地元・仙台育英高の西巻賢二内野手を6位で指名したが、高校生は1人だけだった。
阪神は清宮、安田を外し、外れ外れ1位で仙台大の馬場皐輔投手を指名。馬場もソフトバンクと重複指名となったが、三度目の正直で金本監督が抽選で交渉権を引き当てた。2位でも高橋遥人投手と、上位で大学生の投手を指名した。今季は投手力に頼りがちなところがあり、野手では大学ナンバーワン遊撃手の呼び声もある立教大の熊谷敬宥内野手を3位で指名。投手4人、野手2人の指名となった。
12球団で唯一、3度抽選を外したのがパ・リーグ王者のソフトバンク。清宮、安田、馬場と3連続で重複指名に。いずれも最後の残りクジだったため、工藤監督の元に当たりクジは巡ってこなかった。結果、外れ外れ外れ1位で鶴岡東高の吉住晴斗投手を指名。その時点では、他にも1位候補に挙がっていた選手がまだ指名されておらず、予想外のサプライズ指名だったといえるだろう。2位でサブマリンの専修大・高橋礼投手、3位で大砲候補の横浜高・増田珠外野手、4位に国士館大の椎野新投手、5位で秀岳館高の田浦文丸投手と投手4人の指名に。補強ポイントに挙がるのは松田、内川の後継者候補となりうる野手だったが、清宮、安田を逃したのが痛かった。近年は将来性重視の高校生が多かったが、今年は大学生を2人指名した。
ドラフトの本当の成果が現れるのは、5年、10年先のこと。この中から球界を代表するような選手が何人出てくるだろうか。1人でも多く成功を掴み、野球界を盛り上げていってくれることを願いたい。
(Full-Count編集部)