「宮城県のレベルアップに」―社会人選手が指導、軟式野球部講習会の意義
4年連続全国大会出場中の仙台商は「夏に全国制覇するためにも頑張る」
4年連続で全国高等学校軟式野球選手権大会に出場中で、今年の国体で準優勝した仙台商・佐藤涼太主将(2年)は「基礎を固めることで春と夏につながると教えていただき、冬の期間が大事だと改めて感じました。冬の練習は地味できついですが、夏に全国制覇するためにも頑張りたいです」と話した。
高校の硬式野球部が「甲子園」を目指すように、高校の軟式野球部は「明石」を目指す。来年は5年連続の出場がかかる仙台商。佐藤主将は「最近はベスト8止まりなので、ベスト8の壁を超えたいと思っています。また、(今年の選手権と国体で優勝した)中京学院大中京という厚い壁もあるので、そこにどうやって勝っていくかも考えて頑張りたいです」と力を込めた。
宮城第一信用金庫の冨田大伸監督は「高校生が育って、先でも野球を続けてくれることが県のレベルアップにつながると思っています」と話す。高校生にとって、社会人の軟式野球部は未知の世界だが、その存在を知る絶好の機会にもなっている。「就職しても野球を続けられるというのはすごいなと思う」とは仙台商・佐藤主将。仙台商からも企業の軟式野球部に進んでいるOBがおり、進路の選択肢にもなっている。
1日かけて行われた講習会を終え、冨田監督は「今日、教えたことを自チームに持ち帰って、継続してください」と受講した選手たちにメッセージを送った。2009年センバツに21世紀枠で出場し、4強入りした利府(宮城)の選手だった宮城第一信用金庫・馬場康治郎内野手は「先生方にいつも指導してもらっていると思いますが、違う視点から教えてもらうことも高校生にとってはいい刺激になったと思います。私たちも忘れがちな高校時代の気持ちを思い出すことができました」と話した。軟式野球に励む高校生にとっても、宮城第一信用金庫軟式野球部にとっても充実した1日になった。
(高橋昌江 / Masae Takahashi)