走塁で甲子園沸かせた「機動破壊」 盗塁成功へ重要な4つの要素と指導法

日本野球科学研究会は17日、「野球におけるスプリント能力、走塁について」というテーマでシンポジウムを開催【写真:広尾晃】
日本野球科学研究会は17日、「野球におけるスプリント能力、走塁について」というテーマでシンポジウムを開催【写真:広尾晃】

「走塁革命」を起こす指導、スキルとは

 日本野球科学研究会は、野球競技の普及・発展に寄与するために、指導現場と研究者間での情報の流動性を高めることを目的とした団体だ。その第5回大会が神戸大学で行われた。2日目の17日に行われたシンポジウムIIのテーマは「野球におけるスプリント能力、走塁について」だった。

 野球の技術研究は多方面から行われているが、走塁に特化したシンポジウムは珍しい。コーディネーターは仙台大学教授の宮西智久氏。高校野球の指導者と、陸上競技の専門家が、走塁についての研究成果を発表した。

 兵庫・東播磨高校野球部監督の福村順一氏は、前任の加古川北高校で甲子園に出場した経験を持つ。福村氏は「走塁革命」と銘打ち、「小さなことからコツコツと」と工夫と努力を重ね、チームを改革していった。走塁を重視するチームではアウトはつきものなので、指導者は生徒が積極的な走塁で失敗しても叱らないことが必要だ。そういう指導法で、結果が出て着実に成長している。

 福村氏は走塁には、ランニングスキル、シャッフルスキル、リードスキル、スライディングスキル、ベース周りスキルの5つが必要と説明。ランニングスキルはランニング姿勢、スタート姿勢、中間疾走、フィニッシュまでの技術を磨く。さらに走打連携も必要で、走塁の精度を上げることがすべてにつながっている。同氏は走塁にこだわることで野球のスキルに生かすことができたと述べた。

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