米マイナーと二重登録可能、移籍が容易…躍進するオランダ、本国の野球事情
日本で言えば「サッカー式」、オランダ野球の組織形態とは
オランダ野球の組織形態は大きなピラミッド型となっている。「トップリーグ」と言われる「フーフトクラッセ」、セカンドリーグ、3部のAリーグBリーグ…と繋がっている。4、5部リーグは、日本の草野球に近い存在だ。所属リーグで勝ち上がっていけばどんどん昇格することができ、トップリーグ参入には厳しい規約は存在するものの、草野球チームからトップリーグへのステップアップもルール上は可能である。これは日本のサッカーJリーグのシステムに近い。レベルが近い相手と多くの試合ができ、昇格も降格も存在する。
そして、選手登録に関して、非常にユニークなルールが存在する。なんと、他国リーグとの二重登録が可能なのだ。オランダには、アメリカAAA、AAに所属し、メジャーリーグに挑戦する選手が多数存在する。そのような選手に対して二重登録の権利を与え、いつでも国内でプレーできるようにしている。選手はアメリカで解雇されてもすぐに母国でプレーできるので、アメリカ行きを決断しやすい。チームも、アメリカのシーズンが早々に終わればポストシーズンで帰国した選手を起用することができる。まさにwin-winである。
KNBSBは“オランダらしさ“を一つ教えてくれた。当然、国内トップリーグでプレーすることを目指す者も多いが、移籍や残留が容易に可能である。例えば、このチームは練習が厳しい、土日は家族の時間にしたいなど、理由があれば容易に選手がチームを移ること、昇格せず残留することもできる。個性を大切にするヨーロッパならではの工夫が垣間見えた。
(大森雄貴 /yuki-omori、坂口拓也 / takuya-sakaguchi)