なぜ巨人は二塁手を固定できないのか 名手・篠塚氏が見る現状
二塁手固定に必要なこととは…
「実際に(春季)キャンプからセカンドをやらせるんだ、ということ(意識)が必要です。今年のキャンプを見ていると(セカンドの候補が)4人も5人もいた。1人でいいんです。今年はこの選手をセカンドで使うんだ、と。そうすると、それなりのことを教えていかないといけない。4人も5人もいたら、誰が行くんだ、誰が出るんだ、となりますからね。その中で成績の良いものが(レギュラーで)いくといったって、そんなにみんな成績が出るわけじゃない。突発的に誰かポンと成績を伸ばす選手が出てくればいいですけど、そういうわけにもいかないでしょうから」
レギュラー候補を1人指名し、ある程度は我慢して使い続ける。競争もいいが、責任感と精神的な余裕を与えるのも1つの手だ。篠塚氏は、今季の二塁マギーという起用法については、理解を示す。ただ、「(セカンドが)いなかったからしょうがない。でも、打つ方がしっかりしていたから、守備はそこそこ守れればいいという感覚でやっていたと思います。村田もいて、サードを守れる人材がいたからできた采配です」とも。やはり、しっかりとレギュラーを張れる日本人選手が台頭してくれるに越したことはない。
「なかなかそういう選手がいない。吉川尚がいますが、左打ちで安定して左投手を打てるかどうか、というのがあります。ただ、足もあるし、守備は良さそうですけどね。あとは、サードをどうするのか。村田がいなくなって、岡本にするのか。マギーをサードにすると、セカンドを誰にするのか、となる。でも、これではね……。シーズンを通しても、『今日は誰がセカンドやるんだろう?』では、やっぱり不安ですよね」
センターラインは重要なだけに、やはり固定できるのが理想。そのためには、若手の成長を待つという方法も、間違いなく1つの手だ。大学時代はショートが本職だった吉川尚を本格的にセカンドで使うのであれば、ある程度の時間を与え、首脳陣も我慢してみるということが必要になるかもしれない。昨年のドラフト会議で1位指名した有望株なだけに、素質は確かなはずだ。
レギュラーを任せられる二塁手が台頭するのか。巻き返しを狙う巨人にとって、来季も大きな課題となりそうだ。
(Full-Count編集部)