鷹・甲斐が打力アップで真の正捕手へ “4割打者”からの助言がヒントに
自主トレでは5種類のバットを試して“相棒”探し
地肩の強さとフットワーク、スローイングの素早さは球界屈指で、幾度となく相手走者を刺して他球団の脅威になった。オフには「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ」を戦った侍ジャパンのメンバー入り。パ・リーグのゴールデングラブ賞、ベストナインにも輝いた。育成選手のベストナイン受賞、そしてゴールデングラブ賞とのW受賞は史上初めてのことであった。
育成選手としての苦労を経ての、大きな飛躍。ただ、この1年間で、自らの足りない部分を痛感させられたのも事実だった。「意識してレベルアップしたいのはバッティング面」。207打数48安打5本塁打18打点、打率.232。先発出場しても、チャンスで打席が回ってこれば、早いイニングで代打を送られることも珍しくなかった。守備面やリード面も、もちろん大事だと分かっているが、より多く試合に出るためには、打力アップも必要不可欠だと考えた。
「タイミングの取り方であったり、フォームを見直して、振り込んでスイングスピードも上げていけたら。この時期だから試せることですし、振る力もつけていきたい」
試行錯誤の日々となる。ファーム施設での自主トレをスタートさせたこの日、早速、打撃投手相手にフリー打撃も行った。タイミングの取り方は、シーズン中とは違い“すり足”に。チームメートの中村晃、日本ハムの松本剛と2種類の形の違うバットを使用し、感触を確かめ「(グリップが)タイカップ型(グリップエンドに向けて太くなっていく形)の方が感じはいいですね」。バットは今後、5種類ほどに増やし、最もしっくり来るもの選び抜いていく。