森監督が見せた松坂への親心「そういう気持ちにさせた何かがアイツにはある」

中日・森繁和監督【写真:荒川祐史】
中日・森繁和監督【写真:荒川祐史】

自身も利き腕の手術経験、森監督「やり尽くすまでやればいい」

 西武黄金期を支えた投手だった森監督だが、怪我で苦しい思いもした1人の選手だった。1985年のオフに右腕にメスを入れ、翌1986年を棒に振っている。それでも、1987年に復帰を果たし、1988年に21試合に投げて現役を退いた。かつての自分に、松坂の姿が重なったのかもしれない。「10勝も、20勝もしろとは言いません。ただ、自分がやり尽くしていなければ、やり尽くすまでココでやってみればいい」。完全燃焼させてやりたい――。そんな思いも森監督にはあったのだろう。

「直接話したり、言葉を交わすことは少なくても、今までずっとやってきたことを見てきていますし、やってきたこともあるんで、気持ちは言わなくても、ある程度は分かっています」

 多くの言葉を松坂と交わしてきたわけではないという森監督。それでも、野球を続けたいという、右腕の気持ちが痛いほど分かったのだろう。「そういう気持ちにさせた何かがアイツにはあるんでしょうし、皆さんがこうやって集まってくれたというのも、大輔に期待や色んなものがあるから集まってくれたと思います」と言う。

「ゆっくり見させてもらいます。どういうことをしてくれるのか。楽しみにしています。結果が出せれば、1番いいですけど、我々がバックアップしながら、松坂世代、松坂世代といってその後ろ姿を追いかけてきた若い選手もいるんで、あるものを全部見せて、使って、言葉で、体で、色んな後ろ姿でウチの選手に色んなことを教えてやってほしい。それだけです」。チームに与える効果にも期待を寄せた森監督。窮地から救い出した指揮官の想いに、松坂は応えられるだろうか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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