【投手の球数を考える】日本の投手の壁?「シーズン3000球」の謎を解くカギは
阪神・メッセンジャーは過去6年で5度、3000球超え、PAPも20万超
セ・リーグ1位の阪神メッセンジャーは過去6年で5度、3000球以上を投げ、PAPも毎年20万を超えている。セ・リーグでもメッセンジャーを含めて4人がPAP10万を超えている。メッセンジャーは深刻な故障はしていないものの、リスクは高まっていると言えるかもしれない。
PAPは、いろいろと議論がある数値だ。そもそも「100球」という目安には、科学的な根拠がない。100球以下をノーリスクとする根拠はあるのか、とも言われている。ダルビッシュは2013年に「投球数ではなくて、登板間隔が問題」との提言も行った。だが、今でも、MLBの多くの球団が球数に注意を払い、PAPが10万に届かないように配慮している。そして、それを守り、年3000球超を投手は何年も続けて投げている。
信頼性には疑問符がつくにしても、PAPを意識してMLBの先発投手には制限がかかっている。そもそもの試合数に差があり、登板数の違いも大きいが、日本はもう少し球数に配慮すべきではないかとも思われる。
(広尾晃 / Koh Hiroo)