メジャー500登板視野、田澤純一が挑む米10年目の復活「もう一踏ん張りしたい」
不調だった肩周り…体の変化に耳を傾け、取り入れた新トレ
マーリンズ田澤純一投手は、今季メジャー10年目という節目のシーズンを迎える。2009年に海を越え、レッドソックスの一員としてプロ野球選手の第一歩を踏み出してから9年が過ぎた。傘下マイナー2Aからスタートしたキャリアでは、右肘靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)からのリハビリ、2013年のワールドシリーズ優勝など「いい時も悪い時もあった」と振り返る。「そもそもこんなに長くできるとは思っていなかった」という右腕は、10年目のシーズンに向け、例年通り1月は沖縄での自主トレに励んだ。
2016年オフにフリーエージェント(FA)となり、マーリンズと2年契約を結んだ。移籍後1年目だった昨季は55試合に登板し、3勝5敗、防御率5.69という成績。途中、肋軟骨の炎症により戦列を離れることもあり、新チームに貢献しきれない不本意なシーズンを過ごした。
セットアッパーとしてレッドソックスのワールドシリーズ優勝に貢献した2013年。この年はキャリアハイの71試合に投げ、5勝4敗、防御率3.16、WHIP(1イニングあたりの被安打数+与四球数)1.200の数字を残し、翌2014年も同じく71試合で4勝3敗、防御率2.86、WHIP1.190を記録した。だが、2015年から肩周りに疲労や違和感を覚えることが増え、同時に自分が思い描くパフォーマンスを発揮しきれなくなってしまった。2015年から2016年は、ちょうど29歳から30歳に移行する年だった。「年齢」の一言で片付けるのは乱暴すぎるが、少しずつ現れる体の変化に耳を傾ける必要が生じたことは確かだろう。
「ここ何年かは肩周りの故障が多かった。去年はシーズンが終わってからケアに重点を置いて、12月あたりからトレーニングに移行し始めました。今まで僕はどちらかというとアメリカ的なトレーニングで、重いウエイトを持つ筋トレを重視していたんですけど、それだと肩周りがうまく動かなくなってきた。少し違うものも取り入れてみようと思って、筑波大学の方々のアドバイスを受けながら、自重を利用したり、使う筋肉を意識したトレーニングを始めました」