あえて「苦しいフォーム」選択、昨季鷹を救った150キロ超右腕が明かす秘策
「感覚は全然良くない」自主トレでは極端に前屈した状態からの投球も
連覇のかかる2018年、石川には先発ローテの一角を奪い、更なる飛躍を遂げることが期待されている。東浜、千賀、和田、バンデンハーク、武田といった面々がおり、ローテは狭き門ではあるが、その5枠目ないし6枠目に割って入るべき存在で、石川自身も「目指すところとしては、1番は1年間ローテを守るというのが目指すところかなというのはあります」と語っている。
1月の自主トレ。石川は昨年に続き千賀滉大とともに「コウノエスポーツアカデミー」代表でトレーナーの鴻江寿治氏が主宰するトレーニング合宿に参加。中日の吉見一起やDeNAの今永昇太らとともに汗を流した。その中で、石川は昨季終盤に体に染み付いたフォームの狂いを取り払おうとしていた。
「具体的に言うと、シーズン終盤は上体がどんどん突っ立って、反っていった。最終的に、どんどん自分の悪い癖が出てくるんですよね、疲れとかで」。昨季終盤に生じたフォームの狂いを、こう分析する石川。「そういうのを、どういうフォームで修正していくか。反ってしまうのを極端なくらいに屈んで投げるとか」と自主トレ中の投球練習では、極端に体を前屈させた状態でボールを投じるなど、試行錯誤しながら修正を施していた。
「感覚は全然よくないんですよ。よくないですけど、それをやらないと自分の出したい横の間であったり、動きが出てこないので。いい感覚で投げるというのをいい意味で諦めないと、自分の去年戦ってきた形というのが出てこないというのを、今年改めて知れましたね」。いい感覚で気持ちよく投げられる形を模索していきそうなものだが、石川の取り組みはまるで逆だった。