あえて「苦しいフォーム」選択、昨季鷹を救った150キロ超右腕が明かす秘策

ソフトバンク・石川柊太【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・石川柊太【写真:藤浦一都】

2017年は先発&中継ぎで8勝も終盤は疲れからフォームに狂い

 2018年、2年連続で日本一を目指すのが、パ・リーグ王者のソフトバンクである。2017年は夏場まで2位に甘んじながらも、勝負の終盤戦でラストスパート。対照的に失速した楽天をみるみる突き放し、リーグを制覇した。クライマックスシリーズ、日本シリーズも若干の冷や汗はかきながらも、結果的には力ずくで勝ち切り、日本一の座に駆け上がった。

 とはいえ、ソフトバンクも順調にシーズンを進めていたわけではない。和田毅、武田翔太、千賀滉大と先発投手陣に次々に怪我人が出ると、野手にも故障者が頻発した。普通ならば、チーム成績に大きな影響を与えそうなものであったが、それでも順調に白星を積み重ねていった。それを可能にしたのは、圧倒的な戦力層があってこそだった。

 その中でも大きな働きをした1人が、2016年途中に育成契約から支配下へと昇格していた石川柊太投手だ。150キロを超すストレートと、独特の軌道を描くパワーカーブを武器とし、キャンプからアピールに成功。開幕1軍の座を掴むと、まずは中継ぎで、そして怪我人が出てからは先発ローテを担う1人として奮闘。2桁勝利には届かなかったが、8勝を挙げてチームに大きく貢献した。

 その一方で、勝負の終盤戦では不振に陥ったのも事実。失点を重ねる試合が多くなり、先発投手たちが戦線に復帰すると、再び中継ぎに。一時は1.99まで下がっていた防御率も、終わってみれば3.29まで上昇していた。初の1軍で過ごすシーズン。疲労もあり、徐々に徐々に、だが確実にフォームには狂いが生じていた。

「感覚は全然良くない」自主トレでは極端に前屈した状態からの投球も

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