あえて「苦しいフォーム」選択、昨季鷹を救った150キロ超右腕が明かす秘策
ソフトボールの上野由岐子からもアドバイス、「発見は多かった」
「気持ちよく投げていたら、いつまでもシーズンで戦える形にならない。シーズン中はどれだけマウンドで何も考えずに投げられるか、なので、それまでの準備として苦しいフォームで、全然よくない感覚で投げ続けられるかが自分のタイプとしての立ち上げ方法だとわかりましたね」
石川にとって2018年を戦う上での新たな「発見」だった。この自主トレに参加していたソフトボールの上野由岐子からも様々なアドバイスや「結構グサッとくる」指摘も受け「自分の中で突き詰めていかないといけないところだな、と取り組みの方向性が変わってきました。やっぱりこうじゃないとダメなんだなという発見は多かったですね」という。
昨季は1年間ローテを守り抜いたわけではない。自身の中で1年間きっちり乗り切ったという感覚もない。ただ、そのためのヒントとなりそうなものは自身の中にある。「(シーズンを)乗り切っていないので何とも言えないですけど、ここをこうしたら乗り切れたかなというのもあったり。今の段階では始まっていないのでどうなるか分からないですけど、1つ自分の形を出せるか模索中なので、今年がどうなるか」。
先発ローテの争いはどこの球団よりも激しい。復権を狙うベテラン、突き上げを狙う若手と、候補は数多い。ただ、その中で石川は最もその座に近いポジションにつけているだろう。「去年は穴を埋めるだけ、だったので。それも1つの強みなんですけど、それでよければそのまま使ってもらえますし、そういうの考えると1年間ローテ守るつもりで頑張れたらと思いますね」。ももいろクローバーZの大ファンである「モノノフ」の石川。彼が1年間ローテで投げ抜ければ、ソフトバンクの2年連続の日本一がグッと近づいてくる。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)